新年度に向けた為替の注目視点? (2005年3月13日 UP)


3月として7年ぶりに積雪した東京都心では、活発な不動産開発によりエリアによっては不動産価格が上昇しています。また、不動産投資信託(REIT)の運用が好調で、さらに株価も2005年後半の企業業績回復を見込む海外投資家による「日本買い」が期待されることから、円は底堅く推移することが予想されます。

米国の緩やかな景気や物価上昇動向、FF金利の0.25%刻みの利上げ継続、金や石油は上値が見えず、株価も2000年のITバブル時に迫る高値水準であることから、どれをとってもインフレ懸念に結びつき、米国経済に敏感に反応するヘッジファンドなど投機筋の動きと資金の移動は、為替動向の転機となります。また、主要各国の「急激なドル安は望まない」為替政策は、それぞれの経済政策と国際政治が微妙に異なることから、その捉え方を探る思惑が為替動向に影響しています。

先の米大統領による一般教書演説で、「財政赤字を2009年度までに半減する」ことを公約に掲げましたが、「双子の赤字」に有効な対策が手付かずのままでは2004年後半からのドル売り圧力は継続し、しかも日銀総裁は、第二四半期以降の日本は「景気の踊り場を脱出する」との見方を示していることから、短期的には「ドル安円高」基調は変わらないと予測できます。

したがって、超短期的には、為替レベルによって ドル/円で「売り」やユーロ/ドルで「買い」からのポジションメイクなどは≪面白い≫かとも思われます。しかし、「買い戻し」や 「売り戻し」 のレベルを一歩読み誤ると、為替差益を得るチャンスを逃すばかりでなく、スワップ金利を日毎支払うことにもなりかねません。


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