Gold、ドルとの逆相関に乱れ?


このところ、憲法改正論議の是非、都市と地方の格差是正策「ふるさと納税」の構想と反論、ときに相反する考え方であってどちらも正論を語っていると思えることがあります。また、一見何のつながりが無いようにみえることも、実は互いに関係し合っていることがあります ・・・ 「市況の法則」(日経新聞)で、「マネーの力」 が揺さぶる “為替と金相場” の相関関係を分かりやすく解説されていました。 下記に一部抜粋して紹介します。
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金価格は基軸通貨のドル相場と逆に動く傾向(逆相関の法則)があるとされてきた。かつて金本位制の下で金とドルが一定のレートで交換されていた名残 ・・・ しかしここ数年は経験則を外れる局面が目立つ。米国は景気を軟着陸に導くため利上げを続け、世界の資金がドル資産を買い続け、年金基金などは分散投資先として金買いを膨らませた。
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米国が金とドルの交換を停止した1971年のニクソン・ショック後も実物資産の金には通貨の側面が残った。このため有事には ≪中東情勢が緊迫する⇒原油が高騰する⇒インフレ懸念が台頭する⇒ドル(と発行体である米国)への信認が揺らぐ⇒安全資産としての金に資金が向かう≫。第二次石油危機の80年1月に金がニューヨーク終値で825ドルの高値を付けたのが象徴的だ。85年のプラザ合意によるドル安の背後で金価格は2年にわたり上げた。01年の「9・11」米同時テロでも「有事の金」が見直された。
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金市場にはこのところ欧米の年金基金や中東のオイルマネー、インドや中国の新興国など新たなプレーヤーが加わった。ドルとの逆相関の乱れはこんな市場の変化を映し出している。
(日本経済新聞平成19年5月12日朝刊-「市況の法則」)
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金融商品も刻々とその時代に符合した関係に変化しているようです。伝統や風習、慣習や慣例、そして経験則からくる認識も、時には心情を排除して改めたり見直すことが大切に思えます。


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