CAFE10


外国為替証拠金取引の “基本” をおさらいします。


note1: 直物取引
外国為替(FX)直物(SPOT)取引は、「外貨を交換する取引」。たとえば100万ドルの取引では、100万ドル相当の「円」キャッシュを相手方に渡し、100万ドルの「ドル」キャッシュを手にする、という取引をいいます。


note2: ロールオーバー
外国為替証拠金取引は、取引によって引き渡さなくてはいけない「円」は “借りる” ことで手当てし、手にする「ドル」を “貸し出す” ことで、通常はキャッシュの受け渡しが行われない取引です。「ポンド/ドル」の取引も同様に、「ポンド買い」では、「ドル」を借り・「ポンド」を貸し出す取引であるために、手元にドルがなくても取引できるのです。「買ったら売り戻し」(または「売ったら買い戻し」)を行うことで、交換時の為替レートの差が損益として計算され、さらに米国午後5時を境にして貸借の金利計算が行われます。


note3: 仲介
では、取引に伴って動く「キャッシュ」は、「誰から調達し、誰に貸し出すのか?」 気になるところです。取引会社は、通常、顧客と取引した反対売買をヘッジ先金融機関と相対で取引します。このことからも、取引会社の位置づけは、個人投資家と金融機関の間を仲立ちする「仲介」業者といえます。金融機関がフォワード取引を組み合わせることで「スワップ金利」が発生します。もちろん、何も金融機関は、手にした外貨資金を外国為替取引に限って運用しているわけではありません。


note4: 流動性
外国為替は相対で取引されるため、固定したスプレッドで継続的にプライスを提示できるものではありませんし、できるはずもありません。銀行間取引でも、しばしばスプレッドをワイドにした上でプライスを提示し、「今は取引したくない」 と暗に取引を求めた金融機関に意思表示することもあります。たとえば、中央銀行がドル円でドル売り介入しているそんな時、誰も “BID” なんか(ドル買いの指値)出したくはありませんよね。


note5: 安定性
資金力が豊富で、リスク・コントロールできる優秀なディーラーが結集する金融機関には、自然と顧客(機関投資家)が付き、FXマーケットで積極的に取引参加するための 「玉」 も揃います。したがって、そのような金融機関をヘッジ先としている取引会社は、安定したプライスを顧客に提示することができます。


note6: スワップ金利
外国為替証拠金取引する個人投資家の多くは、「スワップ金利」を手にする「外貨」買いでFXマーケットに参加しています。長期で「外貨」を保有しようとする投資家にとっては理にかなった運用手法ですが、短期売買を繰り返すデイトレーダーと呼ばれる投資家までもが同じスタンスを取りがちです。仮に円安基調が短期的でも反転したとき、はたして個人投資家は「外貨を売る」取引を実践できるか?


note7: リスク許容度
また、最近では「高いスワップ金利」の獲得を目当てに、資源産出国や新興国の通貨を「買い」から入る取引も活発のようです。しかしながら、流動性の観点で見ると必ずしもリスクの小さい取引とはいえません。主要通貨に比べてマーケット情報量も劣り、個人投資家が簡単に手を出すのにふさわしい外貨取引か? 一抹の不安を覚えます。高いリターンを求める以上、自らの判断でリスク許容度に応じた運用額での取引が何よりも求められます。//


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