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外国為替取引で、「ドル/円 (USD/JPY)」 で 「ドルを買う」 という取引は、私たちにとって馴染みのある取引です。海外旅行に旅立つ成田空港の銀行窓口で、「1ドル=118円で10万円をドル紙幣に両替」 した経験や、外貨預金では 1ドル=118円 で 「10万ドルを預金するために1,180万円をドルに両替して、銀行で開設するドル口座に預ける」 経験があるからだと思います。また逆に、「ドルを売る」取引についても、海外旅行から帰国したあとで手持ちのドル紙幣を円に両替したり、外貨預金の満期に円貨建てで受け取ることで、外国為替の通貨「売買」はわかりやすいものと思います。
ところが、“円” が絡んでいない外貨ペアの取引とは? そして、どのように清算されるのか?
≪ポンド/ドル (GBP/USD)≫で 「ポンド買い/ドル売り」 するポジションメイクは、「持っていないドルを売って? どうやってポンドを手にするの?」 とあらためて聞かれると、頭の中が混乱してしまう方もいるのではないでしょうか!
外国為替証拠金取引では、ポジションメイクとその反対取引となる決済取引することで、為替差損益のやり取りをする取引です。GBP/USD で 「ポンド買い」(ドルを手放す)のポジションメイク と決済取引(反対取引) で 「買ったポンド」 と “同額のポンドを売り戻す” (ドルを手にする)ことで、一連の通貨ペアの売買取引を終了させ、 「為替差損益」 を確定させます。 その結果、ポンドを売り戻した際に 「手にするドル」 が 「手放したドル」 の額より多ければ その差額が利益となり、少なければその分が損失になります。
たとえば、その損失が100ドルで、決済時の USD/JPYレートが 1ドル=118円 で計算した場合では11,800円が証拠金で減算されることになります。もちろん、決済によって生まれた為替差益は、取引口座に利益として反映されます。ここでの注目は、下記の考察で解説するように、清算は決済取引したときのUSD/JPYレートによって評価額(差損益)が変わることです。
「ポンド売り/ドル買い」のポジションメイクでは、「ポンドを売り、手にするドルの額」 と 「ポンド買い/ドル売り」 決済で、「ポンドを買い戻すに必要なドル」が 「手にするドルの額」より少なければ、その差額分のドルが利益として取引口座に反映され、足りなければ買い足すドルの差額分が損失となります。その買い足したドルの円価分は、証拠金で減算されます。
“円” が絡まない外貨通貨ペアの取引ポジションを、別の見方で考察してみましょう。
□ ユーロ/ドル(EUR/USD)で 1EUR=1.1700USDで「10万ユーロ買い/ドル売り」と
                 1EUR=1.1600USDで「10万ユーロ売り/ドル買い」
  の両建となるポジションを保有した場合:
1ロット +100,000 EUR ⇔  1ロット  -100,000 EUR  = +-ゼロ
1ロット  -117,000 USD ⇔  1ロット +116,000 USD  = マイナス1,000 USD
一見、この両建ポジションはスワップ金利のみ日毎支払うことを除けば、損失は固定されると思いがちですが、日毎のUSD/JPYの為替レートによってUSDの対JPY評価額が変動することを忘れずに!
1ドル=110円では110,000円の損失として、1ドル=118円では118,000円の損失と為替評価損が計算されます。
したがって、両建取引は決して損失を固定させる手立てではなく、お勧めできるポジションメイクではありません。 【FXCAFE.JP: fxspot-D 円換算 を参照】
同じように取引会社は、「円が絡まない通貨ペア」のロングとショートポジションの間で、このフローティングリスクを常に抱えているともいえますネ。これ、当局が注目する点でもあります。


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