Part12


改正金融先物取引法の経過措置も あと1ヶ月余りを残す時期となり、「A社は12月末で外国為替証拠金取引ができなくなる」 とか 「B社はもうすぐ潰れるらしい」、「C社は評判が悪い」、また 「D社の登録はまだか」 とネット上や一部のコミュニティーでは、根拠に乏しい噂や取引先を心配する話題が交わされているようです。そして残念なことは、実際すでに三十数社が行政処分され、しかも破綻している事実。
また、投資家の中には、外国為替証拠金取引業界の「取引会社は健全な取引業務をしていない」というこれまでの 「イメージ」 につけ込み、為替差損が発生すると 「騙されて失った資金を回復したい」がために、あたかも 「被害者」 を装う人も出現とか。さらには、取引会社は 「損失補てんを簡単に応じる」 と勘違いしている風潮が、少なからずあることも残念です。
さて、“FXCAFE.JP” は、外国為替の常識をシンプルに解説する WEBセミナー・サイトとして開講1周年を迎えます。外国為替で金融資産を運用しようとする投資家に、金融機関が参加するインターバンク市場と個人投資家が参加する外国為替証拠金取引の仕組みをわかりやすく解説、取引のスキルアップにお役立ていただけるステージとなるように、これからもバージョンアップを重ねてまいります。
そこで FXCAFE.JP ≪1周年記念スペシャルコラム≫ は、外国為替証拠金取引でネガティブ・マインドの投資家が寄せる 「不可解なクレーム」 を激辛に “ スパッ ” と斬ります。


不可解・その(1)
十数年前、株式投資で社会問題となった「損失補てん」 を求める行為が、外国為替証拠金取引で?
□ “ スパッ ”
投資家は、外国為替証拠金取引の概要を記載したパンフレットや取引約款、取引リスクに係る重要事項説明書を入手、その内容と取引ルールを納得のうえ、関係書類に署名捺印して、その取引会社に口座を設けて取引しているはずですよね。ところが、いざ為替差損が発生すると、「自己責任」なる言葉は忘れて、あたかも取引被害にあったかのように振る舞い、「取引リスクに関する説明を受けていなかった」 と取引会社に “損失補てん” にも似たクレームする不良投資家が出没?
証券不祥事があった当時の対面による株式取引とは違って、今はインターネットの普及により、為替取引 (24時間) も株式の取引も、いつでも投資家自らが誰の手も借りずに取引システムを操作してポジションメイクの注文や決済の注文もできることから、「騙された」 と損失の発生を他人のせいにするようなクレームは、「詭弁」 というより他ならないと思うのですが!?為替差損が発生すると突如クレームすることを考えだす都合のいい投資家は、むしろ 「取引に長けている」 と考えることが適当でしょう。 取引履歴を見れば簡単に分ってしまうことですが!?
□ “ スパッ ”
外国為替証拠金取引にしても、株式取引、国債購入、商品先物取引、保険の加入、不動産投資等、あらゆる金融商品には専門用語が伴います。たとえば、「ロールオーバー」 と聞いて、その意味が分からない方もいらっしゃるかと。でも、分からないことは、「え、それって何?」 「ロールオーバーって 何?」 と聞くことが、取引を考える・金融商品を購入しようとする投資家の常識ですよね。取引会社の担当者の説明に、“わかったフリ” をすることがないように!
不可解・その(2)
インターネット取引では、取引会社の取引システムを利用するために、なかにはソフトウエアをインストールするためにノートパソコンを取引会社に持ち込み、さらに取引システムの操作方法をレクチャーされてから取引を始める人もいるようです。その際に「他社での取引履歴が消えてしまった」 と大げさに話す投資家。
□ “ スパッ ”
でも、ご心配なく! 仮に、他社の取引ソフトを削除してしまっても、再度インストールすれば、取引システムは利用できるようになります。また、取引データは取引会社のサーバーに記憶されていますから、いつでも取引履歴を確認できます。個人のパソコンにそれらデータは記憶されているものでないのです。
不可解・その(3)
「やはり**さんに取引してもらわないとダメ」 「**さんはトレーディングがうまい」 とセールス担当者を褒め称える投資家。
□ “ スパッ ”
「的確なアドバイスをしてくれる人は大切だ」という意味に解釈すべきですよね。外国為替証拠金取引は、投資家がインターネットを経由して注文、通貨の売買をする金融商品であり、投資信託(ファンド)とは違い 「誰かに取引を任せる」 という取引ではありませんよネ。
不可解・その(4)
「**さんに 「ドルを売れば儲かる」 と言われて、損失を被った」? 「アドバイスが、今度は外れた!」?
□ “ スパッ ”
「このレベルでのドル売りは、為替差益を得るチャンス」 というアドバイスを、断定的表現にちょっと 「言葉」 や 「文字」 にすると、こんなにも意味合いが変わってしまうって、怖いですよネ。 新聞やテレビ、雑誌に登場する専門家と呼ばれるコメンテーターやアナリストの為替動向の予測でさえ 「100%はない」 ってことは分かりきったことですよね。多くの投資家が、専門家のコメントやアドバイスを聞いたり、読んだりしたことを参考に投資判断して資産運用を行っていますよね。でも、コメントを鵜呑みに取引して、損失が出たからといって 「ウソつき!」 とテレビ画面に向っていいがかりする投資家はいませんよネ。
□ “ スパッ ”
優秀なアドバイザーは、損失が出たその後の対処法を指南してくれるものです。でも、そのアドバイスには耳を傾けずに、損失を軽減するチャンスがあったにもかかわらず、「すぐに値は戻るだろう」 とその後の対応を見誤った投資家は、まさに自己の選択による結果の何ものでもありませんよネ。
不可解・その(5)
「もっとお金を入れて欲しい」 と要求された?
□ “ スパッ ”
「マージンカットに近いポジションの保有を継続する希望であれば、証拠金の入金が必要」 という善意のアドバイスは、人によってはネガティブに解釈し、その真意を受け止めなかったりするものです。外国為替証拠金取引には、追加証拠金制度はなく、可能証拠金の減少に伴って その残高がゼロになった場合には、自動的にシステム決済(マージンカット)されます。ポジションをキープするために証拠金を追加するか?そうしないか?は、投資家が自ら可能証拠金残高を管理して判断するものです。


外国為替証拠金取引が、個人や中小企業を経営する投資家にとって、経済的にも合理性のある優れた金融商品にもかかわらず、一部の経営者によるモラルが欠如した事業運営と社員教育、また一部の不良投資家に取引参加を許したことで、外国為替証拠金取引は 「公序良俗」 に反するものと一部で思われることは、とても不幸なことです。 日本では、いまだに株式、債券、不動産投資等の金融商品に冷めた目を向ける風潮がある一方で、資産は郵貯や銀行に預け入れているものの、そのお金はどのように運用されているのかは、考えたこともない人が多いのではないでしょうか。投資家自身が、金融商品の取引リスクを認識した上で、欧米社会のように資産を積極運用しようとする意識改革ができるのは 「いつになることか?」 と空を切る思いがします。 
// by Rumina


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