Part10


さあ、あと半月あまりで、いよいよ改正金融先物取引法が施行されます。外国為替証拠金取引業界では、これから何が大きく変わるのかというと、監督官庁となる金融庁によって規制の対象になるということです。取引会社としての登録と外務員登録は、平成17年12月末日までの6ヶ月間の経過措置がとられますが、禁止行為(不招請の勧誘など)など各規制は、施行日から守られなければ罰則の対象になるのです。
取引会社にとって、当該改正法でもっとも厳しいと思われる事項は、何と言っても自己資本規制比率のクリアーでしょう。取引会社として登録しても、これからは140%の自己資本規制比率を日々維持する必要があることから、今後顧客数が増えて取引額が増加するにしたがって、その都度資本金の増資に迫られる、何てことも起こりえます。さて、これからどんな資本が外国為替証拠金取引業界に参入してくるのか、業界編成が見ものです。
一般投資家にとっては、当該改正法の「適合性の原則」で、外国為替証拠金取引の知識、経験等に照らし合わせた取引会社の勧誘と取引開始の受理による、顧客保護が図られます。逆に、これは投資家自身の取引概要の理解度と「取引マナー」が求められることに他なりません。当該改正法により取引会社の数は、現状より大幅に減ることが予想されると共に、顧客は取引会社によって選別される予感もします。これまで取引会社によっては、証券系、商品先物系、投資顧問系、独立系などという区分けを耳にしました。これは、話題性や興味本位の区別化でしたが、今後は逆に、VIP(富裕層向)と一般顧客、アクティブ顧客とノン・アクティブ顧客、インターネット取引顧客と電話取引顧客など、顧客を選別する逆区分での取引契約形態も考えられます。
1998年改正外為法による、これまでの自由な為替取引から、当該改正法による業界規制で、個人向け為替取引は規制が伴うマーケットに変わろうとしています。はたして、個人投資家にとってより使い勝手のよい新たな資産の運用市場になるかどうかは、業界と個人投資家が共に「取引ルールを守ろう」とする意識改革による外国為替証拠金取引マーケットの発展にかかっていると考えます。
// by R


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