応答日の決め方?


第9回 課外講習は、ゴールデンウイークを前に、クリスマス休暇や年末年始などで約定日とヴァリューデイトに祝日を挟んだりすると、応答日はどのように決められるのか?外国為替取引の基本となるSPOT取引の決済日でもありフォワードの起算日となる 『 応答日 』 を解説します。

外国為替証拠金取引は、今では休場となるのはクリスマスと元日、そして週末だけ。祝日には “ここぞ ”とばかり「普段は会社だから、自宅でデイトレード!」と思っても、こんな日に限ってなかなか為替は日中動いてくれません。でも一旦動き出すと一方方向へ。そして「ロンドンが市場へ参加してくる時間帯では、朝方のレベルへ戻っていた」何ていうこともしばしば。その挙句に「高値買い・安値売り」をしてしまった、という経験を持つ個人投資家もいるのでは!

15ある日本の祝日では、銀行や金融機関の為替ディーラーや為替ブローカーもシッカリ休暇を取っています。もちろん、資金為替部(為替ディーラー)の保有ポジションは、アジアタイムでは香港・シンガポールの支店で、さらにロンドン・ニューヨークの支店へと引き継がれて、そのポジションは管理されます。ぜひ同じように、一般投資家も休暇で旅行に出かける際には、ストップロスの設定はお忘れなく!

さて、インターバンク市場で取引されるSPOT取引では、ドル円およびクロス円の応答日(受渡日・Value Date)は、東京市場の翌々営業日に行われています。該当日がNYKもしくは該当通貨国の休日と重なる場合には、東京および該当通貨市場が共に営業日となる翌営業日までに繰り下がります。

円が絡まない通貨取引では、該当通貨各国の休日およびNYKの休日に準じて決められています。ユーロの場合では、ユーロ参加国が休日であっても決済が行われるなど、例外もあります。欧州クロス通貨間取引も応答日が一致しない場合もあります。

ドル円(2004‐2005年末年始)SPOT期日(応答日):

 取引日    東京    NYK    応答日
(火) 12/21   営業日   営業日   12/24
(水) 12/22   営業日   営業日   12/27
(木) 12/23   休日    営業日   12/27
(金) 12/24   営業日   営業日   12/28
(月) 12/27   営業日   営業日   12/29
(火) 12/28   営業日   営業日   12/30
(水) 12/29   営業日   営業日    1/4
(木) 12/30   営業日   営業日    1/5
(金) 12/31   休日    営業日    1/5
(月) 01/03   休日    営業日    1/5
(火) 01/04   営業日   営業日    1/6
(水) 01/05   営業日   営業日    1/7

では、宿題!2005年の大型連休の前後では応答日はどうなるでしょう?

ドル円(2005年4月‐5月)SPOT期日(応答日):

 取引日    東京    NYK    応答日
(火) 04/26   営業日   営業日   4/28
(水) 04/27   営業日   営業日    ?
(木) 04/28   営業日   営業日    ?
(金) 04/29   休日    営業日    ?
(月) 05/02   営業日   営業日    ?
(火) 05/03   休日    営業日    ?
(水) 05/04   休日    営業日    ?
(木) 05/05   休日    営業日    ?
(金) 05/06   営業日   営業日   5/10
(月) 05/09   営業日   営業日   5/11
(火) 05/10   営業日   営業日   5/12

この祝日カレンダーを見ただけでワクワクしてきますネ!みなさんの予定は万全ですか?大型連休前後の「応答日」解説は、休憩を挟んで≪為替の謎-10≫で!


ネームスイッチの意義


≪為替の謎-9≫では、今年の大型連休前後の「応答日」を考える課題が提出されていました。ナゾの解明-10では、回答と為替で連休を楽しく過ごすための心得を、ご一緒に考えましょう!


【 回答 】

ドル円(2005年4月‐5月)SPOT期日(応答日)

 取引日     東京    NYK    応答日
(火) 04/26   営業日   営業日   4/28
(水) 04/27   営業日   営業日   5/2
(木) 04/28   営業日   営業日   5/6
(金) 04/29   休日    営業日   5/6
(月) 05/02   営業日   営業日   5/9
(火) 05/03   休日    営業日   5/9
(水) 05/04   休日    営業日   5/9
(木) 05/05   休日    営業日   5/9
(金) 05/06   営業日   営業日   5/10
(月) 05/09   営業日   営業日   5/11
(火) 05/10   営業日   営業日   5/12

さて、ここで気になるのが「5月2・3・4・5日」の4日間の取引です。A銀行とB銀行が何回か取引相手となった場合に、共にチェックするのがクレジット ラインです。5月9日が応答日となる取引日が4日間となることで、既にクレジットライン設定の上限まで取引が約定されている可能性があるからです。クレ ジットラインについては、すでにFXCAFE.JPでは「インターバンク市場のひとコマ・パート2」  で触れていますのでご一読を!

SPOT取引では、しばしばName Switch(金融機関の間の取引を代行)が行われます。5月5日、A銀行とB銀行のクレジットラインが一杯であるとき、AとBそれぞれにラインの余裕がある第三者 C銀行が助け舟を出すことで、「AとC」・「CとB」の取引で約定するものです。これは、例えば、Aは「ドル買い円売り」をCと行い、Bは「ドル売り円買い」をCと行います。したがって、Cは 「Aと『ドル売り円買い』」また「Bと『ドル買い円売り』」を同レートでスクウェアになる取引をする、でも応答日に資金をデリバリーする “ボランティア”的アリガタイ「ホワイトナイト(白馬の騎士)」の存在といえます。

しかし、外国為替証拠金取引では、『ホワイトナイト』は現れてくれません。大型連休となるこの期間、投資家はクレジットラインの設定と同じ意味合いを持つ 「証拠金」を、保有ポジションに対してあらかじめ余裕を持って預け入れておくか、もしくは保有するポジションを減らしておくことが大切になります。市中銀 行や取引会社のミドルオフィスは業務を休止することから、入出金手続きが停止されます。マージンカットを回避するためにも、また連休中のポジションメイク のためにも、運用(取引)戦略に見合った「証拠金」と「保有ポジション」管理を、連休前に今一度チェックしておくことをお勧めします。


さあ、ゴールデンウイーク!
十分に休暇を満喫するためにも、保有するポジションにリミット注文やストップ注文の設定はお忘れなく。みなさんが外出している間も、為替市場では取引されていますから!


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