ZERO?


外国為替証拠金取引を一般投資家に提供する各取引会社(FX会社)では、身を削ってまで顧客獲得と投資家に少しでも長く継続的な取引をしてもらおうと奮闘しています。なかでも「手数料ゼロ」 vs 「スプレッドZERO」は、口座を開設する際の会社選びの重要なポイントとして注目されています。

そこで、≪為替の謎-21≫では、投資家にとってどちらが有利か? 紐解きます。

 


まず、「手数料ZERO & スプレッドZEROの比較(1)」の例題では、基本的なプライスFEED(取引レート配信)の流れの中で、USD/JPYを題材に解説します。

マーケットが「ドル高トレンド」であるとき、躊躇なく「ドル買い」します。こんなときには、ヘッジ先金融機関はFX会社に、またFX会社は顧客に対して” 右 ” にずらしたプライスを提示します。ドルが買われている現状で、わざわざ左寄りのプライスを提示することは一般的にはありえませんよネ! (*1,*2)。

上記のように、手数料ZEROの会社で取引する投資家は [ 39 ] で、スプレッドZEROの会社では [ 35 ] で「ドル買い」することになります(*3)。決済するときには、それぞれ [ 42 ] および [ 43 ] でドルを売り戻すことになります。

その結果、為替差益から取引手数料を減算すると、上記の利益を手にすることになります。

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マーケットが「ドル売りトレンド」であるときに、ドルの反転を見込んで「ドル買い」したにもかかわらず、反転は見込めないと判断し、ポジションを手仕舞った際の計算が、下記の(2)です。 このときのトレンドでは、ヘッジ先金融機関はFX会社に、またFX会社は顧客に対して ” 左 ” にずらしたプライスを提示します。ドルが売られている現状で、右寄りのプライスを提示することは一般的ではありません (*1,*2)。

外国為替証拠金取引では、「損切り」は、次の取引チャンスでスムーズに売買する決断のために、大切な役割を果たします。スワップ金利の獲得を目的にポジションを長期保有しようと考えている方を除いては、いつまでも泥沼にハマッタごとく ” 損 ” を後生大事に持ち続けることは考えものです。

[為替の謎-22]では、もうひとつの例をご紹介します。

 


(*1)
ヘッジ先金融機関、またはFX会社のディーラーの持ち高調整によっては、顧客に提示するプライスがこれまで解説した前提となる ” ズレ ” とは逆になること、もしくはズレの幅が違うこともあります。

(*2)
手数料ゼロの会社のスプレッドを5pipsとここでは仮定しています。

(*3)
手数料によって最終損益は異なります。スプレッド・ゼロの会社の取引手数料を往復4銭とここでは仮定しています。
06/06/2007 UP


どちらがお得か判断


マーケットが「ドル高トレンド」であるとき、素直に「ドル買い」したにもかかわらず、ドルは下落トレンドに向かってしまい、損切りを余儀なくされた際の計算が、下記の(3)です。

 


下記の(4)は、「ドル安トレンド」ではあるけど、ドルはそろそろ反転すると「ドル買い」した結果、推測どおり「ドル高トレンド」に向かってくれて「利食い」したケースです。

≪為替の謎-21≫で解説した「手数料ゼロ」 vs 「スプレッドZERO」の最終損益の差はほとんど変わらないものでしたが、マーケットトレンドによってはその差が広がる場合もあります(*1,*2,*3)。

したがって、投資家は、どちらが自身に適しているか判断したうえで、FX会社を選ぶことが望まれます。もちろん、FX会社の信用力や提供される情報・サービスの質、プラットフォームの使い勝手など、総合的に比較・検討することも大切ですよネ !

 


(*1)
ヘッジ先金融機関、またはFX会社のディーラーの持ち高調整によっては、顧客に提示するプライスがこれまで解説した前提となる ” ズレ ” とは逆になること、もしくはズレの幅が違うこともあります。

(*2)
手数料ゼロの会社のスプレッドを5pipsとここでは仮定しています。

(*3)
手数料によって最終損益は異なります。スプレッド・ゼロの会社の取引手数料を往復4銭とここでは仮定しています
06/06/2007 UP


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