2004年の外国為替マーケット総括?


今年のドル円は、114円後半(5月)から102円半ば(11月)までの取引レンジがありました。アメリカへの旅行で、11月下旬の今ペットボトル飲料は1ドル103円で買えますが、春に旅行した人は114円を支払わなければなりませんでした。これは、円の価値が相対的に上がったことを示し、114円から103円へと対ドルで「円が強くなった=円高になった」といいます。また、表現の仕方として、ドルを主語に言い換えれば、ドルは対円でドルが弱くなった=ドル安になったともいいます。

双子の赤字といわれるアメリカの貿易赤字(経常赤字)の削減のためには、円高へ向かうことによってアメリカの国民は日本製品を以前より高く買わなくてはならなくなり、買い控えが予測され、日本からの輸出が減ることで貿易不均衡の是正が図られます。

しかし、資金の流れは少しでも投資環境の良い国へと向かうのが常です。双子の赤字が注目されたことで、景気や経済の成長性の衰えが見られないアメリカへのこれまでの資金流入は、緊急避難先としてユーロに向かうことで欧州の株式市場や債券市場に資金が流れることも予想されます。このように各国の経済状況を見回すことで、投資のための為替取引がより関連付けて見れるようにもなります。世界の基軸通貨としてのドルに対局するユーロの存在価値が高まってきているともいえます。
(2004年11月25日 UP)


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